主な特徴
サブ・ナノメータ精度で膜厚分布測定
- 超高速に極薄膜の膜厚/屈折率分布を測定
- 測定結果の3Dグラフ表示機能
- シンプルなインターフェイスの簡単操作
- text、csvフォーマットでのデータ出力
- 面分布データから特定の箇所を再測定可能
基本原理
通常のカメラとの違い
- エリプソメータとは、測定物にレーザ光を斜めに当てた反射光の偏光状態から、測定面の極薄膜の膜厚や屈折率を測定する評価システムです
2つの偏光成分の反射特性のズレが、それらを合わせた光線の偏光変化としてあらわれることを利用した、非常に高感度な測定手法です - 2つの偏光成分の反射特性のズレが、それらを合わせた光線の偏光変化としてあらわれることを利用した、非常に高感度な測定手法です
しかしながら、偏光の測定には光学フィルターの回転機構が必要なことから、装置が大きくなりやすく、調整や校正が難しいなどの欠点もありました【従来方式】 - フォトニック結晶を応用した偏光センサーなら、こうした欠点を解決することができます
ME-110で用いられる偏光センサーは、CCDセンサーとフォトニック結晶で作られた波長板集積素子と偏光子集積素子とで構成されます(右図)。
縦に並んだ波長板領域と、横に並んだ偏光子領域の組み合わせにより、それぞれを回転させたときの光量を、CCDの各画素で同時に取得できるのです - 偏光センサーの採用により、回転駆動部が不要になり校正の手間が大幅に削減されます
更に動いているサンプルの測定も可能になり、サンプル移動ステージとの組み合わせにより、高速な2Dエリプソメータが実現しました
【ME-110 PCA方式(PCA/Photonic Crystal Array)】
機能
ME-110(高速マッピングエリプソメータ)の機能
- 付属ソフトにより、ME-110の操作と取得データの解析・保存、保存データの再読み込みなど、一連の操作を簡単にを行うことができます
- 測定した膜厚や屈折率の分布データを様々に表示・解析可能です。例えば、膜厚を濃淡やカラーに反映させた2Dマップや、任意の角度で視点を設定できる3Dマップ表示、ワイヤー表示などが可能です
- 2つの偏光成分の反射特性のズレが、それらを合わせた光線の偏光変化としてあらわれることを利用した、非常に高感度な測定手法です
しかしながら、偏光の測定には光学フィルターの回転機構が必要なことから、装置が大きくなりやすく、調整や校正が難しいなどの欠点もありました【従来方式】 - ME-110のマッピング機能を活かして、一様な光学モデルで全面を測定後に、任意測定点を異なる光学モデルに変えて詳細に定点測定することができます
- また、これらの測定データは、txt形式やcsv形式で出力・保存することができますので、Excelなどのソフトウェア用データとして用いることができます。
また、保存データを測定時と異なる光学モデルをもちいて、再計算させることも出来ます
主な仕様
ME-110 | |
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装置仕様 | |
測定方式 | フォトニック結晶アレイ並列処理方式 |
測定再現性 | 膜厚: 0.1nm, 屈折率: 0.001※ |
※Si上SiO2膜(約100nm)を入射角70°にて繰り返し測定した標準偏差 ※測定速度の値は測定対象、ステージ設定等で変わり、 常に毎分1000点を保証するものではありません |
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装置構成 | |
光源 | 半導体レーザ(typ. 636nm) |
測定スポット | 約 1mm角 |
入射角度 | 60,70,75[deg] 手動交換 |
標準ステージサイズ | 最大6inchウェハー対応 |
測定速度 | 毎分1000点(参考) |
寸法・重量 | システム全体:520 W×500 D×506 H [mm], 約60kg |
製品内容 | |
ME110システム一式、操作パソコン、 標準サンプル ソフトウェア(インストールCD) 、取扱説明書 |
測定例
ダミーサンプルの測定例
- Siウェハー上にSiO2層を、場所によって厚さを変えて形成したサンプルの測定例です
極薄の膜厚の差が明瞭に測定できている様子が判ります
レジスト膜厚の測定例
- スピンコートで発生しやすい、中央部で厚くなる現象が観察されています。
また、レジスト中に混入した異物や泡などは、極端な膜厚変動として検出されます。
屈折率分布のデータとあわせることで、異物か気泡かの区別も可能です得られたデータは全て数値データとして出力可能ですので、図のように任意線上の分布データをグラフ化することも可能です
GaAsウェハーの自然酸化膜厚の個体差比較
- 極薄の自然酸化膜厚も、ME-110なら短時間にウェハー全面の分布の評価が可能です
ウェハー間のばらつきや、欠陥の検出に威力を発揮します